全国の盲学校への網膜走査型レーザアイウェアの寄贈について
2020.11.4
東京センチュリー株式会社(東京都千代田区、以下東京センチュリー)は、株式会社QDレーザ(神奈川県川崎市、以下QDレーザ)が開発した網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA® Display Ⅱ」を、全国盲学校長会(東京都文京区)を通じて、全国各地の盲学校および視覚支援学校に寄贈いたしましたので、お知らせいたします。
RETISSA® Display Ⅱは、眼鏡に内蔵された超小型プロジェクタで装用者の網膜上に直接映像を描き出すという、レーザ網膜走査技術「VISIRIUM®テクノロジ」*1を採用したヘッドマウントディスプレイです。眼のピント調節機能の影響を受けにくいので、眼鏡やコンタクトレンズ等を用いずに、カメラ・パソコン・タブレット・スマートフォンの映像を視聴できます。
文部科学省の新学習指導要領には、情報活動能力の育成を図るため、各学校においてコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ることに配慮することが明記されています。
盲学校・視覚支援学校におけるRETISSA® Display Ⅱの活用は、生徒たちのパソコンをはじめとするICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)機器操作の可能性を広げ、コンピュータスキルの向上による就労支援につながると期待できます。
QDレーザは、富士通株式会社のスピンオフベンチャーとして2006年に設立され、半導体レーザに関する独自のコア技術を用いて事業を展開しています。
主要事業の一つである視覚支援事業では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて網膜走査技術を開発し、RETISSAシリーズを実現しました。今年1月にはRETISSA® Display Ⅱの姉妹機である「RETISSA🄬メディカル」が、網膜投影技術により不正乱視の患者様の視力を補正する医療機器としての承認を受け*2、2020年2月にはRETISSA® Display シリーズが、川崎市の福祉機器(かわさき基準)*3として認められました。
東京センチュリーは、QDレーザに2008年より出資を行い、現在第2位の株主となっています。この度「見える」をあきらめないというQDレーザの企業信念に加え、視覚に障がいのある生徒たちのQOL(Quality of life)を向上させたいという盲学校・視覚支援学校の先生方の思いに共感し、RETISSA® Display Ⅱ 20台を、東京都立文京盲学校をはじめとする全国の盲学校・視覚支援学校等に寄贈いたしました。
今回の寄贈が、RETISSA® Display Ⅱを使った児童・生徒の皆さんの学習効果向上に結び付き、よりよい将来をつかみ取る一助となりますことを希望しています。
*1)VISIRIUM®テクノロジ:https://www.qdlaser.com/applications/eyewear/
体験者インタビュー:https://www.retissa.biz/blog/categories/retissa%E4%BD%93%E9%A8%93%E8%AB%87
*2)医療機器認証:https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T200129I0010.pdf
*3)かわさき基準:https://www.city.kawasaki.jp/280/page/0000115461.html